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後遺障害認定と損害賠償

まずは後遺障害等級認定を

交通事故に遭って後遺障害が残った場合、通常は損害賠償請求に進む前に後遺障害の認定を受ける事となります。
後遺障害等級の認定を受けないまま、示談交渉や訴訟に進むこともできますが、加害者側も等級認定を受けていない状態の場合、後遺症の程度や有無について必ず争ってきますので、等級認定を受けている場合に比べ争点が増えることとなります。
また訴訟の場合、自賠責保険の認定に基づいて損害賠償額を判断することも多いですので、全く認定を受けていないことで、損害賠償額がどのように認められるか、見通しがつきにくいという問題もあります。
以上のように被害者の視点で考えた時に、後遺障害認定を受けずに示談交渉に進むのではなく、自賠責保険の後遺障害等級の認定をきちんと受けた上で、示談交渉に進むことが望ましいと考えます。

損害賠償額は後遺障害等級によって変わります

高次脳機能障害で認定される等級は下表のとおり6等級あります。
認定等級によって、自賠責保険から支払われる保険金額は変わります。また、等級に応じて「労働能力喪失率」も変わるのですがこの労働能力喪失率によって、最終的に加害者(保険会社)請求する「後遺障害逸失利益」が計算されることとなりますので、自賠責保険で後遺障害等級の何級に認定されるかということは、その後の損害賠償請求に非常に大きな影響を与えることとなります。

高次脳機能障害の後遺障害等級表

【別表第1】※「自賠法施行令」より

等級 介護を要する後遺障害 障害の程度 保険
金額
労働能力喪失率
1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの 高次脳機能障害のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、常に他人の介護を要するもの 4,000万円 100%
2級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの 高次脳機能障害のため、生命維持に必要な身のまわり処理の動作について、随時介護を要するもの 3,000万円 100%

【別表第2】※「自賠法施行令」より

等級 後遺障害 障害の程度 保険
金額
労働能力喪失率
3級3号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの 生命維持に必要な身のまわり処理の動作は可能であるが、高次脳機能障害のため、労務に服することができないもの 2,219万円 100%
5級2号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの 高次脳機能障害のため、きわめて軽易な労務のほか服することができないもの 1,574万円 79%
7級4号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの 高次脳機能障害のため、軽易な労務にしか服することができないもの 1,051万円 56%
9級10号 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの 通常の労務に服することはできるが、高次脳機能障害のため、社会通念上、その就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの 616万円 35%

自賠責保険の後遺障害認定手続きは被害者請求がお勧めです

自賠責保険の後遺障害認定の流れとしては、「事前認定」と「被害者請求」の2通りがあります。
事前認定の場合、症状固定まで治療費等を支払っていた、加害者側保険会社がそのままの流れで後遺障害診断書を取り付け調査事務所へ出し、等級を決めます。この場合、加害者側保険会社が主導して進めることとなりますので、多くの場合必要最低限の書類しか提出しません。また、各書類も必ずしも適切な内容とはなっていない場合がほとんどです。

後遺障害等級の認定は提出書類で判断されますので、各書類の内容は非常に重要で慎重を期す必要がありますが、事前認定ではそのような配慮を求めることはまず難しいのではと考えます。

反対に被害者請求の場合は、症状固定以降の後遺障害申請手続きは被害者側が行うというもので、その場合任意保険会社の意向が申請に反映されることはありません。
つまり、被害者側で後遺障害診断書や後遺障害を立証する医証、その他残存症状を証明する書面等を用意することができれば、直接自賠責保険会社に提出することができますので、適切な後遺障害等級の認定を受けることができる可能性が高くなると考えられます。

被害者請求での後遺障害申請の場合も、申請書類は被害者側できちんと用意できないと、結果はそれなりになってしまう可能性もあるのですが、多くの場合、事前認定で進めるよりは良い結果となる可能性は高いです。

被害者請求で、さらに最良の結果を得るためには、なるべく早い時期から当ネットワークなどにご相談頂くことで、治療期間中から後遺障害申請に向けて備えておくことが望ましいと思われます。

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